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Psionics Handbook

Wizards of the Coast(http://www.wizards.com/
公式サイト(http://www.wizards.com/dnd/main.asp?x=dnd/welcome,3
製品ページ(http://www.wizards.com/catalog/product.asp?wtc11835
Web Enhancement(http://www.wizards.com/default.asp?x=dnd/we/20010330a
WotC、Psionics記事(The Mind's Eye:http://www.wizards.com/dnd/main.asp?x=dnd/psi/welcome,3
Errata(http://www.wizards.com/default.asp?x=dnd/er/20040125a
2001年3月/ハードカバー/160ページ
ISBN 0786918357/26.95ドル

 レビューというより、サイオニクスの紹介文。

イントロダクション:
 サイオニクスとはなにか?とか、各章の内容とか。

第1章 サイオニック・クラス:
 サイオンは、ぶっちゃけソーサラーに似てる。
 柔軟なパワー(これが呪文にあたる)の使い方とか。習得するパワーの数の少なさとか。
 このパワーは呪文でいう系統のかわりにディシプリンってので6種類に分かれてる。それぞれの名前はサイコメタボリズム【筋力】、サイコポーテーション【敏捷力】、サイコキネシス【耐久力】、メタクリエイティヴィティ【知力】、クレアセンティエンス【判断力】、テレパシー【魅力】で、それぞれが6つの能力値に対応してて、これでセーヴ難易度とかを決める。ディシプリンの後ろに書いた能力値がそれ。

 そしてサイオンは全員が6つのどれか1つをプライマリ・ディシプリンとして自分の専門に選ぶ。
 この選択はウィザードに近いかな。禁止ディシプリンなんてのは無いけど、対応してる能力値で習得できるパワーのレベル上限が決まるから、当然のように高レベルパワーを使えないスクールってのは出てくる。
 ファミリアーみたいなのも付いてくる。サイクリスタルって言って石なんだけど。

 サイオニック・クラスにはもう1種類ある。それがサイキック・ウォーリアー。サイオニクスと戦闘力を組み合わせる魔法戦士みたいなやつ。ここで重要になるのは上のディシプリンと能力値の関係。自分を強化するようなパワーはたいてい肉体的な能力に依存するんだよな!
 攻撃ボーナスの伸びがクレリックやローグ並みなのがつらい。それとパワー・ポイントも少なめ。ま、この辺は魔法戦士の宿命だよな。
 けど、習得できるパワーがバカにならない。同じ名前の呪文があるパワーを目安に挙げると、サイキック・ウォーリアー5レベルでダークヴィジョン(2レベル・パワー)、10レベルでディメンジョン・ドアー(4レベル・パワー)、16レベルでイセリアル・ジョーント(6レベル・パワー)って感じ。ほかにも戦闘力向上に役立つパワー多数。
 しかも1、2、5、8、11……レベルで追加特技がもらえる。これも強い。ファイターの追加特技と、サイオニック系特技から選べる。しかも6レベルでは武器開眼までもらえる。

 ちなみに、パワーはレベルごとの使用回数ってのはなくてポイント式。
 パワー・ポイントってのがあって、レベルと専門ディシプリンの能力値で決まる。このポイントの決め方はちょっとややこしいが、FAQでわかりやすく解説されているので要チェック。パワーを使うたびにごとに決められたポイントだけ消費する方式。必要なポイントはだいたいレベルごとに決まってるけど、パワーによっては出したい効果によって消費ポイントが変えられることもある。

第2章 技能:
 サイオンはプライマリ・ディシプリンごとにクラス技能・クラス外技能が異なる。おどろいたことにサイオニック・クラスはいずれも製作や職能、芸能をクラス技能に持たない。なんとなく浮世離れした感じだ。
 新技能はオートヒプノシスとサイクラフト、リモート・ヴュー、スタビライズ・セルフ、ユーズ・サイオニック・デヴァイス。それに精神集中のサイオニック向け用途、知識(サイオニクス)についても書いてある。新技能のうち、サイクラフトは呪文学の、リモート・ヴューは水晶占いの、そしてユーズ・サイオニック・デヴァイスは魔法装置使用の、それぞれサイオニック版なので、まったく新しい技能という訳ではない。
 オートヒプノシスはなんだかよくわからないが、気合でなんとかする、というような技能。難易度13〜15の判定に成功すると恐怖に対するセーヴを翌ラウンドやり直せたり、hpが0になっても普通に活動できたり、とてつもなく正確に記憶をよびおこしたりできる。
 スタビライズ・セルフはhpが0未満になったとき、判定に成功するとhpの低下が止まるかも、という技能。やっぱり何がなんだか。判定のチャンスはhp低下の開始に対して1回と限られているけど、あれば助かる確率は跳ね上がる。

第3章 特技:
 サイオニック系特技が新出。これはサイオニクスのパワーを身にまとう、とか行動に組み合わせるような特技。パワー・ポイントを消費するものもあれば、しないのもある。いくつか例を挙げると、

 イナーシャル・アーマー:フォースフィールドを展開してAC+4。つまり常時メイジアーマー。
 サイオニック・ウェポン:近接武器にサイオニック込めて威力増強。
  これには素手バージョン、飛び武器バージョンもある
 ディープ・インパクト:相手の鎧を無視して一発攻撃できる。
  当然サイオニック・ウェポンとかとコンボ可。やっぱり他バージョンもある。
 サイオニック・チャージ:カクカク曲がりながら突撃できるようになる。
 アップ・ザ・ウォール: 壁の上を自由に移動できるようになる。立ち止まるのは勘弁な。

 ほかにも通常の治癒力が倍になったり、相手のウソが見抜けるようになったり、パワーがタダで使えるようになったり、機会攻撃で接触のパワー発動できたり。

 サイオニック修正系特技ってのも当然ある。
 呪文修正系特技と同じで消費するポイントを増やして、パワーの効果に修正をかける。修正のかけ方にも限度はあるけどな。おどろいたことに、これを使うときも、パワーの使用にかかる時間は増えないんだ。

 つまりソーサラーよりさらに柔軟性志向なんだ。サイオニクス使いってヤツは。

第4章 サイオイクス:
 PHBでいうところの第10章、魔法にあたるのがここ。

 パワーは呪文と違って、基本的に構成要素を必要としない。精神集中だけでいいんだ。
 そのかわりマニフェステイション(呪文でいう発動のこと)のときに音や光なんかが出る。これをディスプレイと言う。音ならキンッって感じのや、ヴヴヴヴ……って低い音。光ならサイオニクス使いの目が銀色に光ったり、術者中心に虹の輪が表れたり。ほかのディスプレイにはニオイやフラッシュバック、ゼリー状の物質なんかがある。

 サイオニクスを使うとき重要になる要素に「魔法(呪文)」と「サイオニクス」の関係というのがある。一般的にはゲームバランスや複雑性の点を考慮して両者は同じものとされる。例えばエルフがセーヴするときに+2のボーナスをもらえる「心術呪文およびこれに類似する魔法的効果」に[精神作用]のパワーは含まれるし、成長したドラゴンの呪文抵抗はサイオニクスのパワーにも有効だ。それにディテクト・マジックでパワーを打ち消すこともできる。
 これに対して両者は別モノ、とするヴァリアントもある。DMGに載ってるヴァリアントは、サイオニクスは魔法じゃない。だから魔法に対する対抗手段はサイオニクスには一切有効ではないとするもの。詳しくは手持ちのルールブックを読んでくれ。
 サイオニクス・ハンドブックには別のヴァリアントが載っている。これがPsionics are different/「サイオニクス……一味違うぜ!」(意訳)な。やっぱりサイオニクスと魔法は別モノだってやりかたなんだが、サイオニクスのルールが増えた分いろいろ考慮されてる。それが「一味」の部分。
 例えばディスペル・サイオニクスやディテクト・サイオニクスという呪文を個別に作ってそれぞれ5レベル、2レベル呪文にするとか、呪文抵抗を持つクリーチャーはその値より10低い値の「パワー抵抗」を持つとか。もちろんサイオニクスにとっての魔法も同じようになる。
 ガイドラインの列挙になってて、最後はDM任せだ、と言われるんだけどな。

 サイオニック・コンバットのルールもここ。モンスターマニュアルで既にマインドフレイヤーが使ってたマインドブラストとかがこれにあたる。あれは主にサイオニック以外に有効なアタック・モード。対サイオニックに有効な種類のもある。サイオニクス使いはこの手の攻撃に対して防御手段、ディフェンス・モードを持つことができる。

第5章 パワー:
 書式は基本的に呪文の記述と同じ。
 呪文と同名、同効果のパワーもあるけど、名前も違って、じつはちょっとだけ効果が違うというパターンもあるので要注意。パワーには固定値が多いという傾向がある。攻撃用パワーで、ダメージを決めるときに振るダイスの数がファイアーボールみたいにクラス・レベルに依存しないとか。あと、自分だけにしか効果の無いパワーも多い。

第6章 キャラクター:
 4種類の上級クラスが載ってるけど、これが微妙。なぜかというと、これらの上級クラスではそれまで伸ばしていたサイオンやサイキック・ウォーリアーとしてのパワー習得を継続できなから。つまりウィザード+ローア・マスターのような成長が望めないってこと。ちょうどソーサラー+バードなみたいな感じになってしまうんだ。代わりといっちゃなんだけど、特殊能力はヘンなのが多くて楽しい。

・メタマインド
 こいつはパワー使い放題になるクラスだ。だいたい1レベルおきに「パワーをタダで使えるようになる」特技をもらえる。習得ごとに3レベル以下のパワー1つがタダになるって効果で万能じゃないけど。やっぱり数撃てるってのはえぐい。他にも相手のパワー・ポイント吸い取ったり能力値にダメージを与えたりする攻撃ができるように……まるでモンスターだ。

・パイロキネティシスト
 パイロって言うからには火に関係するクラス。おっかない。手から火を出したり、炎のムチを作り出したり、武器に火をまとわせたり。炎のダメージをめっぽう強くなったり、生物の血液を沸騰させて即死させたり。

・スレイヤー
 マインドフレイヤー殺しのクラス。最低1匹殺してないとなれない。サイオニック攻撃に対する耐性が身につく。返し技みたいのも使える。そして何よりイイのがボーナス特技が2レベルに1回もらえること。基本攻撃ボーナスの伸びも速いし、サイキック・ウォーリアーから行くといいかも。

・ソウルナイフ
 コイツがカッコイイんだ!サイキック・エネルギーで剣を作り出せる。自分専用なのが玉に瑕だが、レベルが上がると投げられるようになったり、特殊能力がついたりする。
 あとこいつは1レベルおきに急所攻撃の能力が伸びていく。ヤバイ。

 この章にはDMGにあった各レベルのNPCデータも載ってる。プライマリ・ディシプリン別にサイオン6種とサイキック・ウォーリアー。

第7章 サイオニック・アイテム:
 魔法の消耗品に相当するアイテムはひと通りある。スクロールに相当するエンコード・ストーン、ポーションに相当するサイオニック・タトゥ、ワンドやスタッフに相当するドージェなど。
 防具はなんとなく移動系能力が多い気がする。ディメンジョン・ドアっぽいのや、液面を歩く能力、落下ダメージを減少させるのやずばり移動速度を向上させるのとか。
 武器の特殊機能には、対サイオニックに効く、クリティカルでダメージを与えるとパワー・ポイントを補充できる、サイオニックが使うと特殊機能が引き出せるようになるなど、独特なのが揃ってる。敵味方ともサイオニックが導入されてこそって感じ。
 その他のマジックアイテム、にあたるのがユニヴァーサル・アイテムという区切り。サイオニックなリングとかもここに混ざってる。ユニヴァーサル・アイテムにはマジックアイテムにはなかった新しい装備箇所が示されている。サイコアクティヴ・スキン(肌全体を覆う第2の皮膚)とサード・アイ(ひたいに付けるクリスタル状のアイテム)がそれ。

第8章 モンスター:
 当然サイオニックの能力を持ったモンスターが並んでいる。ギスヤンキ、ギスゼライのサイオニック版も載ってる。擬似呪文能力はどちらも弱体化してるけど、サイオニック・コンバットがアタック・モード、ディフェンス・モードとも1種類ずつ回数無制限に使えるのでこんなものかな。
 マインドフレイヤーのサイオニック版がのって無いのが不満といえば不満。サイオニック・テンプレート参考に適当にやるのがいいのかな。
[【D&D・d20】サイオニックを語るスレ【Dark Sun】:72〜75]

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