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Terra Ferax Wilderness Encounters
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Terra Ferax Innovations/5ドル(PDFのみ)/87ページ
公式ページ:http://www.terraferax.com/tfi4001.html
ルールは少なく、大半がエンカウンター表で占められているこのd20サプリ。Terra Ferax世界の為に用意されたサプリですが、他の世界でも使えます(Terra
Feraxについては、A Player's Guide to Terra Ferax参照。フリーです)。このサプリを使えば、DMGを持っていないDMも、野外行動はバッチリだ!?
まずは目次を簡単に。
+Contents
+Foreword
+Encounter Check Procedures
+Table I. Temperature, Wind Speed And Chance Of Precipitation
+Table II. Food Source
+Table III. Water Source
+Table IV. Gemstones
+Table V. Wilderness Events
+Section I. Cold Monster Encounters
+Section II. Temperate Monster Encounters
+Section III. Warm Monster Encounters
+Appendix A: Open Gaming License Version 1.0a
+Appendix B: Open Game Content
これらが、87ページのサプリに載っています。ルールは少なく、表ばかりです。多くのルールを望む人には向いていませんが、読む箇所は少ない方がいい、またはエンカウンター表が欲しい、イベント表もあったらなぁ、という人にはお奨め。
Encounter Check Procedures−遭遇チェックについて(2/3ページ)
エンカウンターの一連の流れを説明しています。遭難判定と、迷った時の方向決定がここにあります。方向決定は、ヘクスで説明されていますので、通常のD&Dでは変更する必要がありますね。
使用するかどうかは任意ですが、気温・風・降雨について表1で決める事ができます。DMGにこのルールは載っていますので、どちらを使うかはDM次第ですね。
次に4時間毎のエンカウンターの確率が載っています。DMGでは1時間毎でしたが、このサプリでは4時間毎になっています。1日24回から、1日6回に減少。但し、ここでいうエンカウンターは必ずしもクリーチャーとの遭遇を指しません。PCには嬉しい遭遇も、この中には含まれています(例えば、水源や食料の発見)。何らかのエンカウンターが発生した時点で、何を見つけたのか(または遭遇したのか)を決めます。ですから、発生したからといって必ずしもクリーチャーと出会う訳ではありません。
「A Note about my maps」は、Terra Ferax世界で使うものです。
TABLE I. Temperature, Wind Speed and Chance of Precipitation
ここを読めば、天気予報を行う事ができます。現代の予報みたく週間予報なんて出来ませんが、明日の天気は何だろうな〜と予想する事ができます。スキルで判定しますが、DCは低目です。これで君も天気予報士だ!
さて、天気を決める方法ですが、SimplyとNormallyのどちらかを使います。
まずは、簡易判定方法から。表から、気候と季節に合った欄を求めます。そこに3つの数字があるので、その真ん中の数を選びます。気温をランダムに決める為の修正値がありますので、修正表の真ん中の修正をに従いロールして決定します。雨が降っているかどうかの判定も行い、風量を決めるのは任意です。
つぎは、通常の判定方法を。これは、気候・季節・地形を元にして決めます。まず、各月がどの季節に属しているか表に纏められています。これは、現在の日本と同じです。簡易方法と同様気候と季節から、ベースとなる気温と降水確率を求めます。次に各地形(海洋・砂漠・森林等)の修正値をこれらに加えます。風は、d%(1d100を振って)で決めます。
DMGでは熱波・寒波・嵐等が起きる事もありましたが、このルールでは残念ながら(?)その判定方法はありません。雨が降った時のルールもありませんので、DMGから補完しないと決める事はできません。
TABLE II. Food Source
野外を歩いていて遭遇するのは、クリーチャーだけとは限りません。もしかすると、食用可能な何かを見つけるかもしれません。そこで使用するのがこの表です。どちらを見つけるかはd%で決めます。見つけるのは植物か小動物で、実際に食料として得るにはスキル判定に成功せねばなりません。
TABLE III. Water Source
クリーチャーは食料だけで生きていけるでしょうか? DMGには飢えと渇きに何処まで耐えられるか載っています。という事で、次は水源を見つけた時に使う表です。水源は、地形によって種類が異なります。小川だったり、水溜りだったりと様々です。さて、表を使って決めるのは水の安全性です。見つけた水が飲料に適しているかどうか、スキル判定を行って判断します。スキル判定に失敗すれば、勿論分かりません。
TABLE IV. Gemstones
野外を移動している時、PCたちは宝石の原石を見つけるという幸運に恵まれるかもしれません。この表は、スキル判定に成功した場合、何を見つけたか決めるものです。但し、原石なので大半がカットされていません。ここでは、原石をカットする時の最低DC値が紹介されています。また、Masterwork/高品質の物にする為のDCもあります。ここでは、原石の鉱脈(?)がどの程度の規模か決めてから、その種類を決めます。大半がカットされていない原石の状態で見つかります。尚、地形によってロールする表は違うので、各場所によって様々な宝石が見つかります。
TABLE V. Wilderness Events
この表は11ページに記載されていますが、レビューはもうすぐ終わりです。次に控えるエンカウンター表がそれだけ多いという事ですね。
閑話休題。ここでは、何らかのアクシンデントが起きた事を知らせてくれます。しかし、大雑把な区分けはありますが、詳細についてはDMに一任されています。何が起きるか具体例は出ていますが、如何せん、その「何か」が何なのかを決める手段がありません。PLにとっては、どれも碌でもない事です。
Section I. Cold Monster Encounters
Section II. Temperate Monster Encounters
Section III. Warm Monster Encounters
12〜81ページに渡って、エンカウンター表が載っています。昼夜の区別はありませんが、遭遇するクリーチャーの種類は豊富です。但し、FRのDMスクリーン付属のものと違い、補足不足の箇所があります。大半はそのまま使う事ができますが、一部ルールを自作・流用しなければなりません。もし、前述のスクリーンを持っているなら問題は、殆どなくなります。ですが、持っていないのなら、セッションで遭遇した時の事を想定して、予め準備しておいた方が円滑に進める事ができます。
Appendix B: Open Game Content
Appendix AはOGLが記載されているだけなので、Appendix Bに移ります。
ここには、OGL(*)に基づいたモンスターが5種類、掲載されています。Umver・Putty Bats・Lairig Sidhe・Stone Git・Marsh
Mummiesです。
Umber:中型サイズのヒューマノイドです。暗闇をひどく恐れ、STと攻撃にペナルティを負う程怖いようです。この種族には2つの生き方があり、1つは自然との調和を望むトラディショナリスト(混沌中立)。もう1つは、女神アンギルナを信仰する(中立悪)のモダニスト。どちらかによって、推奨クラスも変わってきます。
Petty Bats:超小型の動物で、端的にいえば猿に翼が生えたクリーチャーです。翼は蝙蝠のようであり、尻尾は短くて太いものです。DMの裁量で、Putty
Batはウィザードやソーサラーのファミリアーとして召喚できたり、ドルイドやレンジャーの呼びかけにも答える事ができます。
Lairig Sidhe:大型の妖精で基本的には無害ですが、やや煩わしいクリーチャーです。隠れてたり、冗談を言ったりして遊びます。アルコールが好きで中立善(NG)である彼らですが、脅威度(CR)は1にしては強力な能力を有しています。
Stone Git:超大型の人型生物です。彼らは酸の雨を降らせる事ができ、体は石のようなもので覆われています。酸が無効で暗視能力を持った、脅威度8と強力なクリーチャーです。属性は、中立悪(NE)です。恐ろしい力を持っていますが、ジャイアントやドラゴンが残した死体を始末する掃除屋のような仕事をしています。
Marsh Mummies:Marsh Mummiesは、女神アンギルナが作り出す植物系のクリーチャーです。Monstrous Templateで、基本となる体に寄生します。マミーではあるのですが、アンデッドはない為クレリックのアンデッド退散は効きません。アライメントは、中立悪(NE)となります。
* OGLとは、D&Dのルールを使って、拡張ルールやデータを作ってもいいよというライセンスの略称です。詳しくは、SiGのFAQにありますので、そちらを参照して下さい。尚、ここで紹介されているモンスターは、全てD&Dで使う事ができます。
参考URL:http://members.tripod.co.jp/PenTouchK/FAQ/d20.html#d20375
このサプリは、DMがセッション運用で使用するルールブックです。DMGにないルールが載っているので、DMにはお奨めの一品です(5ドルと安いですしね)。欠点は、幾つか解説が不足している点です(不足している箇所については、各項のレビューで触れています)。それを除けば、スキル判定のDCが載っていたり、エンカウンターが多彩になったりと、野外での行動が今までとはかなり変わります。
いいサプリなんだけど、穴がある箇所があるので1つ減点して……
評価:★★★★☆(星4つ)
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