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Spells & Spellcraft

Fantasy Flight Games $24.95
公式ページ:http://www.fantasyflightgames.com/llss.html

 全5章の構成で、1章はいきなり呪文の章。全部で100以上のスペルが載っているけど、とてもじゃないが全部解説してらんないので、目に付いた呪文だけ。
・Restore Book(Sor/Wiz6)
 焼けてしまったり、虫に食われたりした本を元通りに修復する呪文。歴史家に重宝されているらしい。PCはスペルブックに使うのが常道だろうね。意地悪なDMも多いことだし。俺のAD&D 2nd日本語版PHBにも、この呪文掛けたい…。
・Command Construct(Sor/Wiz9)
 ゴーレムなんかのConstructクリーチャーのコントロールを永久に奪い取る呪文。大枚はたいてゴーレム建造するのがバカらしくなること請け合い。
・Disintegration Sphere(Sor/Wiz8)
 名前見てどんな呪文か一発でわかる呪文。Sphere of Ultimate Destructionの再来ですよ!
・Finger of Life(Clr5,Drd5)
 3レベル以下の治癒呪文を対称に接触しなくても掛けられるようになる呪文。強化版にGreater Finger of Life(Clr8)がある。ArcaneSpellとDivineSpellの割合は6:4位。Bard用のも結構ある。

 次、2章は主に戦闘時以外の追加ルール。
・図書館ルール
 自分で図書館を必死になって建造すれば、蔵書の専門分野に対応するスキルに最大+30できるとか、まあ、そういうルール。珍しい本を蔵書に加えれば、+ボーナスが増えるぞ。Epicまでいったスペルキャスターは、このルールのありがたさが身にしみてわかると思う。
・マジカル・リサーチ
 ラボで各種魔法調査を行うためのルール。研究に使う各種アイテムの説明とか、ラボのサイズによるDC修正とか。
・Taint And Tune
 Bard&Sorcerer用の各種ルール。踊り子、ジャグラー、語り部は普通の歌を歌うBardと比べて呪文使用時に特定のボーナス&ペナルティがつくとか、Sorcererの祖先に妖精とかドラゴンとか悪魔関係の血筋が入っている時のボーナス&ペナルティとか、スペシャリストウィザードの存在価値を再考せざるを得ないルールが満載。Sorcerer用フィートがいくつか載ってるけど、Cha能力値ボーナス分までCasterLevelを上昇させるBloodburnとか、敵のスペルエネルギーを吸収して空きスロットを補充するAbsorb Spellとかはヤバ過ぎ。
・儀式ルール
 Divineスペルキャスター向けのルール。神に向かって儀式を行うと、行った儀式の内容に従って、死者復活とかライカンスローピー除去とかマジックアイテム破壊とか、まあ色々。

 この辺の細々としたルールは、Legends&Lairsシリーズの特徴だねぇ。

 3章は主に新しい魔法のタイプについてのルール。
・Ward Magic
 特定の場所に呪文効果を付与する魔法のルール。要するに結界。結界を作成するにはWeave WardというItem Creation Featが必要で、更に、金、XPコスト、結界に使用する呪文のMaterialComponentなんかが要求される。まあ、スタッフ作成なんかに近いね。ちなみに結界に付与した呪文を発動するにはチャージがいる。
・Chaos Magic
 Wild Magicに良く似たルールで、6種類の呪文をまとめて1つのスペルスロットに記憶できる。記憶した呪文を発動する時は、d20を振ってどの呪文の効果が現れるかを決定する。運が良ければ、d6振って呪文の射程が倍になるとかSaveのDCが5上昇するとかうれしい効果を決定できるけど、運が悪ければその逆。最高に運が良ければ2つの呪文効果が同時に発動する。専用のFeatを取る事である程度ダイスの目を操作できる。
・Cooperate Magic
 2人以上のスペルキャスターが協力して呪文を唱えるためのルール。単にDCが上昇するとか、そのレベル。
・Religion
 宗教に関する一般的な解説が幾つか続いた後、地域の小神信仰に関するルールの解説。小神っていうのは、まあ、「お山の白蛇様の祟りじゃぁ」とかいう時の白蛇様レベルのクリーチャーの事。なんと、CR5程度のクリーチャーでも信者にDivine Spellを授けることが可能。まあ、所詮本当の神じゃないんで、信者のスペルパワーは貧弱だけどね。当然ながら、クリーチャーのCRが上昇すればするほど信者のスペルパワーも強力になっていく。その他、2つ以上の神を信仰するルールとか、アニミストのルールとか。
・Place Magic
 魔法的な場所を作成するためのルール。完全にDM向け。

 4章は魔法的なものを作成するためのルール。
・Alchemy
 Alchemyスキルの新しい使用方法とか、魔法学校で教えるAlchemy関連の授業に関するルールとか、Alchemy失敗時のファンブル表とか、Alchemical Itemの説明とか。説明されているAlchemical Itemの価格&製作DCの表も載ってるよ。あと、新金属素材の説明なんかもある。
・Construct
 読んで字の如く、Construct作成のためのルール。素体になるクリーチャーのステータスはサイズ毎に一定で、そこをConstruct作成者が金とXPを消費してカスタマイズしていく。Dragon Lords of Melniboneに載ってるDemon作成ルールの簡易版ってな感じ。
・Magical Materials
 マテリアルコンポーネントとして使用するとか、マジックアイテムの材料にすると呪文の効果が上がる各種素材のルール。アイテムのレア度が全ての素材について解説されているのはDMとしてはありがたい。炎の呪文を発動するワンド、スタッフ、ロッドに設置すると呪文をMaximizeする宝石Blaze Tearsとか、アレな素材が満載。
・Familiars
 使い魔強化の為のルールで、ある意味、この本最強。まず、Animalの他にConstruct、Elemental、Parasite、Undead、Planarを使い魔にできる。各タイプ別のNPC反応表が載っているのはご愛嬌か。で、XPを消費することで使い魔に特殊能力追加するルールが載っているんだけど、その中の幾つかは使い魔が5フィート以内にいると主人にも効果が適用される。そして、「Immunityがそれに含まれている」っていうのは、かなりヤバいんではないかと。ちなみに、1回Immunityを追加すると5種類のエナジータイプのどれか1つにImmune。5回追加すれば全エナジータイプImmuneですよ。んで、最後に使い魔用クリーチャー各種の説明。BookwormからFire BeetleからHell Houndから、他では見かけないような使い魔を各種取り揃えております、ってな感じ。まあ、あくまで使い魔なんで、クリーチャーとしては大した事ないのばっかり。

 5章はマジックアイテムに関するルール。
・Glyph Eggs
 卵を割ると、込められていた呪文が発動するGlyph Eggの解説。作成するには専用のFeatが必要。これを使うとTome and BloodのCandle Casterの存在意義が半減する。
・Personal Growth Items
 親の形見とか、個人に深い関係のあるアイテムのルール。例によって、金とXPを消費することでアイテムを強化できる。持ち主本人にしか使えないのがポイント。
・Relics
 神絡みの強力なアイテムについてのルール。はっきり言って、アーティファクトの方がはるかに強い。DM向けルール。
・New Magic Items
 最後に、マジックアイテム各種の説明。犠牲者の顔を奪い取り(顔を奪われると呼吸ができなくなる)、盗んだ顔に変身できるマスクFacestealerとか、楽しいアイテムがいっぱい。

 まとめ
 呪文だけが目当てなら、この分野のd20サプリで他にいいのは沢山あるけど、各種追加ルールを求めているなら買い。Legends & Lairsシリーズは大概平均以上のクオリティを維持してる。[d20:492・493・498〜500]

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