Steve Jackson Games　$14.95
公式ページ：http://www.sjgames.com/munchkin/d20/mastersguide/
Amazon.co.jp：http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/1556346689/

　４章立て４８ページのハードカバーで、マンチの限りを尽くすプレイヤーをマンチ技で迎撃するマンチマスターの為のルールブックです。

イントロ：銭金勘定
　年間購読料２０ドルのD20Weekly（ttp://www.d20weekly.com/ [確認]）、プレイヤーのMMG購入の勧め、Munchkinミニチュア使用時の特典（３０分に１回ダイス振り直しなど）と付与されるMunchkinボーナス（当然いかなるボーナスとも合算できます）について解説されています。

チャプター１：クラス
　マンチマスターが操る３種のNPCクラスの説明です。NPCクラス用のマジックアイテムも１種ずつ用意されています。

　バーテンダー：
　　同レベルのマンチウォリアーとして扱い、マンチバードの知識技能も有します。酒場での戦闘、特に自分の酒場では凶悪な特典があります。マスターは馴染みの酒場でバー遭遇表を振ることができます。PCは忠告を得られるかも知れませんし、世界が滅亡することもあります。

　乞食：
　　とにかくACがよく、バーテンダーを上回る諜報能力を有します。マスターはシナリオの導入などに乞食遭遇表を振ることができます。PCは未来を覗くかも知れませんし、乞食の死体の山に遭遇するかも知れません。
　貴族：
　　金持ちです。特殊能力は好き放題の私法の執行と徴税です。また、貴族はパーティの後援者/雇い主/搾取者であり、シナリオの取り回し役です。

チャプター２：マジックアイテム
　アーマー１３種＋特殊能力３種、ウェポン２０種、ポーション２３種、リング２種、ロッド１種、スクロール２種、スタッフ２種、ワンド１種、その他２２種、アーティファクト８種が収録されています。マンチPHBと重複するものもありますが、中身は別物です。

　変態ウォリアー御用達のSpiked Codpiece、要チェックのBroad Sword +3、１分間だけレベルが１０上がるPotion of General Studliness、The Other Ring、Hot Rod、１年掛けて読み通すかDMに１００ドル渡して１日にまけてもらうVery Holy Book（クレリック５レベル＋）などなどマンチ、冗談、言葉遊びが取り混ぜられています。

　Two-Handed Sword+1：
　　ロングソードです…が、柄から手が２本生えています。この２本の手はそれぞれ武器を振るい、持ち手のベースAC（BABの記述ミス？）で攻撃できます。これらの手による攻撃は逆手攻撃や追加攻撃としてカウントされません。ただし、原文によると武器しか持てません。でも、２０レベルマンチキンウォリアーが両手にTwo-Handed Sword+1を持ち、※そのTwo-Handed Sword+1がそれぞれTwo-Handed Sword+1を持ち、そのTwo-Handed Sword+1がそれぞれMace of Sharpness+4を持つと両手攻撃可能であればTwo-Handed Sword+1で３６回、Mace of Sharpness+4で４８回攻撃することができます（好きなだけ※を繰り返すこともできます）。

チャプター３：マンチキンキャンペーン
　キャンペーンの定義とシャンペンとの違い、フルモンティキャンペーン７種の説明、PCとNPCのハンドリング、マンチDMのあり方、サンプルプレイ、マンチDMへのアドバイスが収録されています。ここが一番の肝だと思います。

　キャンペーンスタイル：
　　Monty Hall：殺して奪ってレベルアップ。以上。
　　Monty Haul：PLに甘い蘇生保証付きMonty Hall。
　　Monty Python：映画参照。みんなで楽しく馬鹿ゲー。
　　Monte Carlo：PLとDMの真剣勝負。ルール重視のハイリスクハイリターン。
　　Monte Cargo：吟遊詩人型一本道キャンペーン。
　　Monte Cristo：キラーDMの独壇場。PCが死んだら名前を付け替えて復帰しましょう。
　　Monte Cook：１０フィート四方の部屋にオークと宝。Ｔシャツもあります(montecook.com）。

　PCとNPCのハンドリング：
　　PC対PC：意外ですが、PC間戦闘は非推奨です。
　　PC対NPC：殺戮の合間にちょっとしたロールプレイを入れるのがコツです。

　マンチキンキャンペーンの終了条件：
　　協力型キャンペーンの例：
　　・マジックアイテムを溢れるほど持った高レベルのパーティでないと倒せないような強力なドラゴンをラスボスにする。
　　・ウィザードリィの様な箱庭型ダンジョンを掃討する。
　　・危機にさらされたＡ地点を守るためにＢ地点にあるマジックアイテムを入手してラスボス戦で使用させてエンド。

　　競争型キャンペーンの例：
　　・一番最初に１０レベルに到達したPLが勝利者となります（Munchkinカードゲーム準拠）。
　　・規定数のセッションをこなした後で一番金持ちなPLが勝利者となります。
　　・規定数のセッションをこなした後で一番殺戮によるXP獲得が多いPLが勝利者となります。

　マンチDMのあり方：
　　まず大前提としてルールとマスターのどちらに重きを置くかを決定します。なお、Monte Carloは自動的にルール至上主義となります。機知を巡らして戦いましょう。

　ルール至上主義ではルールブックは神聖不可侵です。誤植もそのまま適用します。ルールの運用ミスを指摘されたら、喜んで訂正しましょう。パーティが全滅寸前の状況で素晴らしい解決案を提示されても、ルールが許さない場合はそのまま死んで貰いましょう。あなたはマンチDMなのですから。
　マスター至上主義ではマスターの言葉がすべてです。勿論ルールは適用しますが、いついかなる時でも解釈やハウスルールを追加/削除/改変することができます。PLがDMの齟齬を指摘しても取り繕う必要はありません。何故ならDMは絶対無謬の神です。あなたはマンチDMなのですから。
　理性的運用を行う場合、通常はルールに従いますが、必要と思えばゲームをより楽しくするためにハウスルールを導入する権利を有します。これはマンチには見えませんが、PLは喜び更なるマンチキンに邁進するでしょう。あなたはもし望むのであればマンチDMなのですから。

　マンチDMへのアドバイスの一例：
　DMはDMの望む結果を出すためにダイスを振るので、例えば口で「ころころ、２０が出たよ。クリティカルね」と宣言しても構いません。勿論PLは厳正にオープンダイスで振ってもらいましょう。

付録：テーブル
　色、武器、ノイズ、匂い、味、ダンジョンの装飾、セッション導入など様々な状況で使用できるテーブルが収録されています。当然、様々なサイドエフェクトが付与されています。

追加スペル２種。
・Octopus Arms(Wiz2)
　４組８本の触手を生やす。シンプルウェポン程度なら命中とダメージに８ペナで使用可能。
・Thermonuclear Airburst(Wiz9)
　レンジ１マイル＋レベル毎１マイルで、半径１０００フィートの火球を生じ、対象１体毎に１０００ｄ６のダメージを与える。RefSTで１/２。爆発後キノコ雲が５分間立ち上り、術者を含むレンジ内のすべての生存者は放射能汚染により１ｄ６日後に死亡する。Wish、Miracle以外の蘇生方法では放射能を除去できないので１ｄ６日後に再び死亡する。１０万XP＋ダメージ毎１XPを術者は失う。XPが０になった術者は放射能汚染により直ちに死亡する。［d20：518・521・526-530］